健康コラム

肝臓癌

日本人では9番目に多い癌が肝臓癌で、90%はウイルス性慢性肝炎がベースにあります。言い換えるとウイルス性肝炎がなければ肝臓癌は発生しにくいといえます。ウイルス性肝炎にはA型 B型 C型のほか数種類ありますがA型肝炎は慢性化しませんので肝臓癌はできません。
肝臓癌の75%がC型肝炎15%がB型肝炎から発生しますので肝臓癌を発見するにはこのC型とB型慢性肝炎、肝硬変の患者さんを集中的に検査すれば良いことになります。B型肝炎は母子感染が主な径路ですが今は妊娠中にB型肝炎を調べてワクチンで感染を100%予防できますので今後母子感染による発生はないと考えられます。B型もC型肝炎も血液で感染しますが献血の際に高い確率で発見され輸血に使われる可能性はきわめて低いと考えられ今後輸血による新たなB型C型肝炎の感染は発生しないと考えられます。慢性肝炎が進行し肝機能が低下して肝硬変になると肝臓癌の発生率が上がってきますので慢性肝炎を治療し肝硬変を予防することは肝臓癌も予防することになります。慢性肝炎、肝硬変の治療はインターフェロンやその他の薬剤の組み合わせがあり肝機能を改善することができます。

慢性肝炎、肝硬変の患者さんは定期的に腹部エコーやCTで検査を行い早期の肝臓癌 小さい肝臓癌を見つける必要があります。肝臓癌の治療法は腹部エコーもしくはCT画像下に肝臓癌を針で穿刺してエタノールを注入したり、熱によりガン細胞を死滅させる方法、肝臓に行く血管から抗ガン剤などを注入する内科的治療があります。外科的治療としては肝切除術が主ですが内科的に穿刺するのが難しい場合には開腹もしくは腹腔鏡下に穿刺することもできますし最近では肝臓移植も行われています。

このように肝臓癌の治療方法は内科的治療、外科的治療組み合わせることにより肝臓癌の大きさ、数、肝機能を考慮して患者さんにもっとも適した治療法を選択することが可能です。