耳は、音を聞くだけではなく、体のバランスをとるという働きを持っています。
この耳のバランスをとる働きがおかしくなって起こる病気がいくつかあります。
そのひとつに”良性発作性頭位めまい症”という病気があります。耳慣れない長い病名ですが、この病気がめまいを起こす病気の中で一番多い病気です。めまいの患者さんの10~20%ぐらいはこの病気です。この病気は耳の中の重力のセンサーの傷害です。
耳の奥には内耳という場所があります。ここは、内リンパという液体で満たされています。この中に耳石(じせき)という石が浮いています。頭が傾くと、重力の作用で、、この石も動きます。この石の働きで頭の傾きを感知します
この石の一部がはげて、はげ落ちた破片が内耳の別の場所に行ってしまうと、この病気が起こります。この石がはげ落ちる原因はストレス、疲労だと考えられています。頭を強く打った衝撃で、はげ落ちる事もあります。
症状としては、寝返りとか、寝たり起きたりとか、頭の位置を動かす事でグルグル回るめまいが起こります。めまいの起こり方をみる簡単な検査で、左右どちらの耳石の傷害か、更に、はげ落ちた耳石の破片が内耳のどこに行っているかが分かります。治療は、内服薬、安静が主です。これで、はげ落ちた破片が元に戻ればいいのですが戻らない場合は、ある、一定の法則に従って、頭を動かすことで、破片を元に戻す方法もあります。この方法も患者さんによっっては非常に効果的で、1、2回の施行で、めまいも起こらなく患者さんもいます。
この他にも、耳の傷害で起こるめまいは沢山あります。
めまいで、お困りの方、お近くの耳鼻咽喉科にご相談下さい。