健康コラム

ピロリ菌

ご存じですかピロリ菌
消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍)の原因としてストレス、鎮痛剤、暴飲、暴食、タバコなどが良く知られていますが、最近注目されているのが、このピロリ菌です。ピロリ菌は胃粘膜の中に生息し消化性潰瘍の患者さんの約95%に認められます。日本人の約40%にピロリ菌が認められますので、ピロリ菌がいる全員が潰瘍になるわけではありませんが、消化性潰瘍の多くの要因の中で大きな割合を占めます。ピロリ菌の検査は先ず潰瘍の有無を胃カメラ、胃透視で確認し胃カメラであれば、胃の粘膜の一部を採取しピロリ菌を顕微鏡や試薬で調べます。その他の方法としては、血液中のピロリ菌の抗体や呼吸中のピロリ菌の代謝産物を調べる方法がありますが、いずれの方法も簡単で、結果が出るまで数日を要します。

ピロリ菌が証明された患者さんには、潰瘍の治療と平行してピロリ菌の除菌療法を行います。除菌療法は、2種類の抗生物質を7日間内服してもらいますが、通常量より少し多めで下痢や味覚障害が一過性に起こることがあります。また抗生物質にアレルギーのある方は使えません。ピロリ菌を除菌する事で潰瘍の治りを良くし再発を防ぐことが出来ます。しかしピロリ菌を除菌したからといってタバコ、お酒を飲んでかまわないと言うことではありません。

これまで同様に食事療法、生活習慣の改善と潰瘍治療の継続は必要です。これから春先は、消化性潰瘍の再発が多い季節です。これまで検査を受けた事のない方は一度ご相談下さい。またピロリ菌と胃ガンの関連が注目されていますが、日本人の40%が保菌しており潰瘍同様に全員が、胃ガンになるわけではなく、まだはっきりとした結論は出ていません。