虚血性心疾患2
診断にはまず心電図が用いられます。特に発作が起こっている時(発作時)と起こってない時(非発作時)の心電図変化が重要になります。基本的には狭心症の場合、心電図上のST部分の低下が心筋梗塞の場合、ST部分の上昇が診断の重要な所見となります。胸痛発作が起こっている時に上記のような心電図変化が認められれば、かなりの確率で虚血性心疾患の診断が可能になります。ここで注意しなければならないのは、発作が起こっていない時に心電図を取りたとえ正常であったとしても虚血性心疾患の否定はできないということです。しかし、現実の臨床の場では、発作が起こって(これが心筋梗塞でなければ)病院に来院された時は症状が消失している場合も少なくありません。そこで、この場合負荷心電図が用いられます。
負荷心電図とは心臓に負荷をかけることにより発作をわざと誘発させその時の心電図変化を観察するものです。負荷の方法には、階段の昇降、自転車こぎなどがあります。いずれも運動により血圧、脈拍を上げることにより心臓に負荷をかけ、その時の心電図変化をしらべます。さらなる検査としては、RI検査、心臓カテーテル検査があります。
RI検査は単に虚血性心疾患の有無だけでなく、心臓のどこにどの程度の広さの虚血領域があるか推測することができます。
心臓カテーテル検査では、実際心臓の血管内にカテーテルという管を挿入し、造影剤をいれて血管の狭窄や閉塞の程度を調べることができますので直接治療にも関係してきます。しかし、心臓カテーテル検査は入院が必要になります。