健康コラム

大腸癌

便通異常と、血便が大腸癌に多くみられる症状ですが最近は検診の便潜血検査で発見されることも多くなりました。大腸癌の70%は直腸からS状結腸に認められますのでまず便通異常や血便を認めた場合には直ちにS状結腸までを検査する必要があります。
全大腸を検査する場合には前処置が必要で大腸内の便を出してからでないと検査できませんので、腸を洗浄するために下剤を飲む必要があります。検査当日に2Lの下剤で腸洗浄を行いますが高齢の方や便秘気味の方は前日からの検査食や下剤処置を行う方が楽に検査ができます。大腸は全長が1.5~2mぐらいでおなかの中で4ヶ所ほど曲がっています。

内視鏡検査ではこの曲がりを上手に越えられると痛みもなく検査ができますが痛みが強いときには痛み止め(鎮静剤)を使用することもあります。食道癌、胃癌でもお話ししたように大腸癌の治療も外科切除が基本です。第一選択は内視鏡治療で、ポリープ状であれば直径3~4cmぐらいまでは内視鏡で切除できます。その次に腹部の傷を小さくした低侵襲性の腹腔鏡下大腸切除、そして開腹手術となります。また直腸癌に対しても経肛門的切除術や手術器具の進歩で人工肛門を必要とする症例は減ってきています。
肉食を中心とした食生活の欧米化で大腸癌は増加していますので大腸内視鏡検査による早期発見、早期治療が肝心です。