健康コラム

抗精神病薬とは何か? どんな作用があるのでしょうか?

抗精神病薬の(抗)は「止める、阻止すること」を意味します。精神病の症状は感覚(五感)思考、感情、行動などの奇妙な変化や異常体験がみられます。精神症状で多いものには幻覚や妄想ならびに思考障害があります。つまり、抗精神病薬とは人の感覚、思考、行動の異常な変化を抑えたり阻止したりするために働くのです。

抗精神病薬は精神分裂病や気分障害(躁病、大うつ病等)などの精神障害に出現した精神症状を治療するために用いられます。
ここでは精神分裂病に対する抗精神病薬に焦点を合わせます。

これまでの研究によれば、精神分裂病にかかった人々では脳内のある特定の領域での化学物質(ドーパミン)が多すぎるようですド―パミンは脳内の神経伝達物質のひとつです。伝達物質は脳内の神経細胞が互いに連結したところ(シナプス)で働きます。ド―パミンが増えすぎると奇妙なメッセージが送られて、あなたの脳はだまされてしまうのです。大量のド―パミンはあなたの感覚を変化させ架空の声を作り出し(幻聴)、またあなたの思考を混乱したり(思考障害)、間違った考えを確信させます。(妄想)。つまり、抗精神病薬とは脳内のド―パミン分泌を阻害する作用があり、これらの作用が精神病分裂病の症状を軽くするのです。